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【横須賀】小さな南国リゾート「モアイモ食堂」はキッズルーム完備【ネイビーバーガー】

本記事は、神奈川県横須賀市のご当地グルメ「YOKOSUKA NAVY BURGER(ヨコスカネイビーバーガー)」を提供している飲食店をレポートするシリーズ記事。

今回は、横須賀を代表する都市公園「三笠公園」からほど近い、横須賀街道沿いに店を構える「楽島モアイモ食堂」!

同店オーナー店長の佐久間睦さんは、「どぶ板通り商店街」にあるライブハウスバー「MOAI & CAPI(モアイ&カピー)」出身。

1998年6月に独立して沖縄料理を中心とした無国籍ダイニングレストラン「飲食島imo(イモ)」を開店し、2010年8月に移転リニューアルする形で「モアイモ食堂」をオープンしたという。

陰陽2体のシーサーが出迎えてくれる店内は・・・

木材の温もりに包まれた、南国リゾートのコテージを連想させるリラクシングな空間。

築50年以上の商店兼住居を手作りで改装したそうで、随所に配されたアジアンテイストなインテリアの数々も、非日常感を高めている。

カウンター席が7席と、テーブル席が3卓の計16席だ。

また、一角にはキッズルーム付きの個室も設けられており・・・

小さな子供連れのファミリーや、ママ会などのニーズに対応。1組限定の予約制で、お子様を含めて最大15名まで利用可能とのこと。

そして、週末と10名以上の貸切時のみ開放される2Fは・・・

バーカウンターを内設した、約30席の宴会スペースとなっている。

柔らかな外光が射し込む、窓辺のテーブル席で頬杖つけば、どこからか波の音が聞こえてきそうな。


▲ヨコスカネイビーバーガー¥1200- ※ポテト&ドリンクセットは¥1500-

じゃーんッ!! これが「モアイモ食堂」の「ヨコスカネイビーバーガー」!!

どっどぉぉぉーんッ!!!

どでかい、という表現がぴったりの超特大サイズだッ...!!

端正な半円形フォルムのバンズは、なんと独自開発したという自家製。パリッと風味良く焼き上げられており、もっちりもちもちで食べ応え満点!

分厚くみずみずしい輪切りトマト、ザクザクの食感が心地良いグリルドオニオン、綺麗に折りたたんで挟み込まれたフレッシュレタスの野菜3種類も、全体にボリュームを与えると共に、あっさりとした後口を演出...!

粗挽き牛肉を香ばしく焼き上げたパティは、ステーキと見紛うような迫力があり、肉汁をじゅわりとたたえたジューシーさ。かぶりつくほどに溢れだす、赤身肉の力強い旨味に興奮が止まらないッ!

個々の食材が活きた絶妙なバランスで、パワフルなのに“ジャンク感”が微塵もなく、むしろオーガニックな印象すら受ける。身体が内側から喜ぶ美味さだッ...!!

ちなみに、ケチャップとマスタードに加えて、カリフォルニア州産のホットソース「TAPATIO(タパティオ)」が添えられるため、激辛マニアも安心である。

第二次世界大戦後から米海軍を通じて、様々なアメリカ文化が現在進行形で広がっている横須賀にとって、ハンバーガーは歴史的に所縁の深い食べ物であり、「ヨコスカネイビーバーガー」は一介のご当地グルメの枠を超えた、地域文化を色濃く感じられるグルメブランドとして価値が高い。

市外出身ながら横須賀に根を下ろして約30年という佐久間さんに、お店作りのこだわりや街への想いなどについて話を伺った。


▲佐久間さんは秋田県本荘市出身の49歳。愛称は“むっちゃん”。

――― 「スカメシフェスタ」の取材時は、ありがとうございました。

佐久間さん:お会いするのは2度目ですね。

――― 佐久間さんは秋田県のご出身とのことですが、横須賀の地で商売を始めたキッカケを教えていただけますでしょうか。

佐久間さん:最初に横須賀に来たのは1986年、18歳の頃に、追浜にあった自動車工場に就職した時です。5年ほどで退職しまして、一時期、ワーキング・ホリデー制度を利用してカナダのバンクーバーへ渡りました。

――― 日本を離れた。

佐久間さん:帰国後のプランは立てていなかったのですが、向こうでたまたま、横須賀出身の日本人と意気投合したのです。その方に「日本に帰ったら地元でハンバーガーショップを開店するから、手伝ってほしい」と頼まれまして、結果的に、横須賀にUターンすることになりました。

――― 同時に飲食の世界へと。

佐久間さん:のちに、当時は服飾雑貨店だった「モアイ&カピー」の店内の一角を間借りして、ショットバーを開店しました。現在の「モアイ&カピー」という店名とスタイルになったのは1997年2月からで、「モアイ」は私が営んでいたバーの名前から取ったのです。

――― なるほど。前身の「モアイ」と、翌年開業された「飲食島imo(イモ)」を経て、「モアイモ」へと進化したのですね。


「モアイ&カピー」も「ヨコスカネイビーバーガー」の認定販売店だ。

――― レストラン形式の飲食店を開くにあたって、“南国風”をテーマにされたのは、なぜですか。

佐久間さん:私、生まれが秋田県じゃないですか。

――― はい。

佐久間さん:カナダにも行ったじゃないですか。

――― はい。

佐久間さん:寒いところが、もうこりごりなんです。

――― 納得しました。

佐久間さん:昔から暖かい地方に憧れがあって、“日本の南国”といえば、沖縄県だろうと。

――― たしかに。

佐久間さん:あとは、「横須賀に無さそうなお店」を目指しました。ひとつひとつ手作りの料理と内装、スタッフの雰囲気も含めて、カジュアルで温かいムードの中で、お客さんにくつろいでもらえるように努めています。


▲副店長を任されている鷹野哲也さんは、横須賀生まれ横須賀育ち。愛称は“てっちゃん”。

――― お店の客層は、どういった方が多いですか。

佐久間さん:平日は地元の方が中心で、休日の昼間は観光客の方の割合が高くなります。

――― ベース(※米海軍横須賀基地の通称)の米兵さんが来られることは。

佐久間さん:全体売上の2~3割ほどは、米兵のお客さんですよ。やはりハンバーガーとタコスがよく出ますが、砂肝の唐揚げをつまみに1杯やりに来るような常連さんもいて、気軽な感じで通ってくれています。

――― 佐久間さんの料理におけるテーマや、心がけていることなどはありますか。

佐久間さん:オリジナリティ、ですかね。お店のイメージと合致する、ウチだけでしか食べられない、独自性を持った料理を追求しています。


▲人気メニューの創作タコス「アジスカタコス(¥400-)」は、横須賀産のアジの唐揚げに甘酢ソースをかけて、トルティーヤ生地でサンドした一品。


▲トルティーヤ生地は昨年11月から、店内で手作りした自家製のものを使用しているという。小麦粉本来の素朴な旨味にほっこり...!


▲地野菜とスナック菓子の食感も、主役のアジを引き立てる軽妙なアクセントになっており、新感覚のハーモニーが楽しいッ!


▲小腹がすいた時の軽食にも、お酒のおつまみにもピッタリだ!


▲ハンバーガーやタコスは、店頭注文でのテイクアウトも可能。市内散策のおともに...!

――― キッズルーム付きの個室が設けられていることも、特徴的だと思います。

佐久間さん:私の子供が小さかった頃、外食に連れて行った際に座席で自由に遊ばせていると、お店の方に注意されることがよくあったのです。「他のお客さんもいますので・・・」と。

自分自身が、店側と客側の両方の立場を経験したことで、双方に負担の少ない形で、親子共々ゆっくりできる場所を提供したいと考えました。

――― 個人経営の飲食店で、ここまで十分なスペースが確保されているお店は稀かと。

佐久間さん:妻と協力しながら、怪我に繋がる危険があるものを極力排除して、安全第一で作りました。おかげさまで、月の半分ほどは予約で埋まる好評をいただいています。


▲キッズルーム付き個室の正面には、手洗い器が設置されている。トイレもすぐそばだ。

――― 「ヨコスカネイビーバーガー」を、お店で取り扱おうと思った理由は何でしょう。

佐久間さん:観光客の方に、お店の存在を知ってほしかったというのが販売の動機ですが、今ではそれと同じくらい、地元の方に食べてもらいたいという気持ちが強いです。

――― というのは。

佐久間さん:長年住んでいる市民の方ほど、「よこすか海軍カレー」や「ヨコスカネイビーバーガー」といった、ご当地グルメに関心が低いのです。1度も食べたことがない、と話す方のほうが多いくらいで。

――― 横須賀で取材をすると、そんな話もよく耳にします。

佐久間さん:せっかくクオリティに自信があっても、地元の方に広く認めてもらわなければ、本当の意味での名物にはなれないと思っています。市民の方が「あそこのネイビーバーガーはウマいよ!」と、市外から遊びに来た友人に対して自信を持ってオススメできるような、そんなお店でありたいですね。

――― 近年の横須賀の街に対して、思うことはありますでしょうか。

佐久間さん:私が18歳で横須賀に来た頃は、観光とは全く無縁の街でしたから、街並みが良くも悪くもキレイになったと思います。固有の文化を感じる建物が数多く取り壊されてしまった反面、観光客の方が訪れやすい街にもなっているかなと。

――― 観光客向けに特化したショップも増えていますね。

佐久間さん:地元にいる人間が見過ごしていた街の個性を、産業に転換できているのは、良い傾向だと感じています。自分たちは、商店街で米兵さんとすれ違っても、港に自衛隊の護衛艦が浮かんでいても、なんとも思いませんからね。

――― あまりに日常的過ぎて。

佐久間さん:秋田県民だった自分を思い出して客観的に考えると、市外から訪れた方が「おおっ!」と目を見張るのは当然です。特別な景色を持った街であることを、それを誇りに思って発信する大切さを、あらためて認識しました。

――― 最後に、今後、お店でやりたいことや目標はありますか。

佐久間さん:とりあえず今は、しっかりと「モアイモ食堂」を盛り上げていきたいです。アニメやゲームなどサブカルチャーとのコラボが盛んにおこなわれていることで、街自体の注目度も増していますので、お店を通して、地元の方にも観光客の方にも、横須賀の魅力をアピールしたいと思っています。

追記:2018年3月、1Fがオープンキッチンに面したカウンター席に改装され、2Fが常時開放された。

また、キッズルーム付きの個室も、ベビーカーを引いたまま入れるように進化。

さらに「ヨコスカネイビーバーガー」のバンズも、原材料の小麦粉の品質をグレードアップしてリニューアル。「モアイモ」の焼き印入りとなった...!

【ヨコスカネイビーバーガー特集 まとめ記事】

ご当地グルメ「ヨコスカネイビーバーガー」 全店舗取材レポート まとめ記事

【店舗情報】

楽島モアイモ食堂
■住所:神奈川県横須賀市本町1-1
■営業時間
月~土:11:30~24:00(L.O 23:00)
日祝:11:30~21:00(L.O 20:00)
■定休日:木曜(※祝日の場合は営業)
■公式Twitter:https://twitter.com/moaimo6233
■公式Facebook:https://www.facebook.com/moaimo/