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【横須賀】大手WDIグループ「ストーンバーグ」がご当地グルメに抱く情熱【ネイビーバーガー】

本記事は、神奈川県横須賀市のご当地グルメ「YOKOSUKA NAVY BURGER(ヨコスカネイビーバーガー)」を提供している飲食店をレポートするシリーズ記事。

今回は、京急横須賀中央駅に隣接する大型ショッピングセンター「横須賀モアーズシティ」の9Fに店を構える「Stone Burg(ストーンバーグ) 横須賀モアーズ店」!

同店は、アメリカンレストラン「Hard Rock Cafe(ハードロックカフェ)」や「Tony Roma’s(トニーローマ)」を国内運営する外食企業「株式会社WDI」が、2005年に自社ブランドとして立ち上げた石焼きハンバーグ&ステーキレストラン。

2018年6月現在で、神奈川県内に2店舗(横須賀モアーズ店、ラゾーナ川崎店)と、埼玉県内に1店舗(ららぽーと新三郷店)の計3店舗が展開されている。

木材の温もりに包まれた店内は、テンガロンハットや蹄鉄といったインテリアが随所に配された、西部劇を思わせるウエスタン調の空間。

全テーブル席で約80席。ゆったりと座れるソファテーブル席が中心となっており、小さな子供連れファミリーやグループでの利用もしやすい。

また、ショッピングセンターの最上階にあるため、窓際席からの眺望が抜群!

駅前繁華街のむこうに海が広がり、東京湾に浮かぶ唯一の自然島であり無人島「猿島」や、天気が良い日には対岸の房総半島まで見渡せることも...!

夜景の素敵さだって、負けていない。


▲ヨコスカネイビーバーガー¥1380-

じゃーんッ!! これが「ストーンバーグ 横須賀モアーズ店」の「ヨコスカネイビーバーガー」!!

デフォルトで、フライドポテトがセットで付いているッ...!

どどぉぉぉーんッ!! これぞアメリカンサイズなBIGバーガー!!

表面をパリッと風味良く焼き上げた、ふんわり軽い食感のバンズは、なんと、この1品だけのために特注しているというオリジナル。そこにビーフパティと共に、輪切りトマト、輪切りオニオン、フレッシュレタス、スライスピクルスをサンドした定番コンビネーション!

アメリカ産牛肉を100%使用したパティは、チャコール(グリラー)で焼き上げることで、格子状の綺麗な焼き目を入れつつ、余分な脂を落としてヘルシーかつジューシーに仕上げているとのこと。噛みしめるほどに、肉汁がじゅわわりと溢れ出すッ!

大口をあけて豪快にかぶりつけば、ワイルドなテイストでありながらも、全体のバランスが整った美味しさに思わず唸る。「さすがはWDIグループ!」と納得させられる、完成度の高い一品だッ...!!

ちなみにプラス500円で、サラダとスープ、ライスとカレーが食べ放題となる、サラダバーを付けることも可能である。

第二次世界大戦後から米海軍を通じて、様々なアメリカ文化が現在進行形で広がっている横須賀にとって、ハンバーガーは歴史的に所縁の深い食べ物であり、「ヨコスカネイビーバーガー」は一介のご当地グルメの枠を超えた、地域文化を色濃く感じられるグルメブランドとして価値が高い。

さらに「ストーンバーグ」は提供店舗の中で唯一、JASDAQ(スタンダード)上場の大企業を母体に持つチェーン店である、という点も大変興味深い。それなりのコストがかかるであろう、1店舗限定でのご当地グルメの開発と販売に、なぜ踏み切ったのか。

「横須賀モアーズ店」店長を務める田村大輔さんに、販売の経緯や「ヨコスカネイビーバーガー」に対する想いなどについて話を伺った。


▲田村さんは秋田県大曲市(※現・大仙市)出身の40歳。カウボーイスタイルがばっちりキマっている。

――― 実は私、10代の頃に数年間「カプリチョーザ(※WDIグループのイタリアンレストラン)」でアルバイトをさせて頂いた経験がありまして、本日の取材を楽しみにしておりました。

田村さん:おおー、そうなのですか。ご縁がありますね。

――― まずは、「ストーンバーグ」のお店のコンセプトを教えていただけますでしょうか。

田村さん:俵型に形成したビーフ100%のハンバーグを、熱々の石盤にのせて提供し、お客様の好みの焼き加減で召し上がっていただくスタイルが自慢のレストランです。横須賀モアーズ店は、2005年4月に千葉県内にオープンした1号店「アリオ蘇我店(※2011年閉店)」に続く2号店として、同年7月にオープンしました。

――― 田村さんが店長職に就かれた経緯というのは。

田村さん:私は入社後の約8年間、「ハードロックカフェ」の運営に従事しており、「ストーンバーグ」というブランドが立ち上がる以前は、「ハードロックカフェ 横浜」の店長を務めていまして。

――― みなとみらいの。

田村さん:「ストーンバーグ 横須賀モアーズ店」の開店にあたって事業部から要請があり、当時の料理長と共に、2人で一緒に移店する形で、グランドオープンから携わりました。

――― もう10年以上、横須賀店の店長を務めていらっしゃる。

田村さん:いえ、実はオープンしてから継続して横須賀店にいたわけではないのです。2年ほど経ってから別の店舗に異動になり、1年ほどで戻ってきて、それから7年ほど川崎店の店長を務めて、一昨年にまた戻ってきて・・・、と行ったり来たりで。

戻ってくるたびに、客層が確実に変化していることに驚いています。

――― というと。

田村さん:基本的に「地元の方が普段使いできる、駅ビルの中のカジュアルダイニング」という立ち位置は変わらないのですが、最近ではディナータイムのお客様の2~3割が、ベース(※米海軍横須賀基地の通称)の米兵さんを中心とした、外国人の方になっているのです。

――― オープン当初は、日本人の方が大半だったのですか。

田村さん:外国人のお客様は非常に珍しかったです。特にアメリカ人の方にとっては、「肉を食べる=ステーキ」という認識が絶対的で、“つなぎ”の入ったハンバーグを食べる習慣がありません。

――― では、なにかキッカケが。

田村さん:営業を続けるうちに、「せっかく横須賀にあるお店なのだから、横須賀らしいメニューも提供したい」という想いが強くなり、バーベキューリブやチキンウィングといったアメリカンな料理を、横須賀店だけで独自に取り扱うことにしたのです。

――― 地域の特色を打ち出して。

田村さん:ウチの会社は、海外のレストランブランドを輸入して、本場の食文化を伝えることに長年力を入れてきました。そして、アメリカ料理は最も得意な分野のひとつです。

――― 「トニーローマ」をはじめ、ステーキレストラン「Wolfgang’s Steakhouse(ウルフギャング・ステーキハウス)」や、シーフードレストラン「Bubba Gump Shrimp(ババ・ガンプ・シュリンプ)」なども、WDIグループの店舗ですね。

田村さん:そのメニュー展開が、思わぬところで実を結んだといいますか。日本人の方よりも、市内在住の外国人の方に、“母国の味を楽しめるレストラン”として、徐々に認知していただけたようなのです。


▲看板メニューの「石焼きハンバーグ(¥1680-)」は、二度挽きしたオーストラリア産牛肉を100%使用。


▲店員さんが、目の前で半分にナイフを入れてくれて。


▲ジュー!


▲ジュージュー!


▲ジュージュージュー!!


▲外はカリッと、中はふわっとした独特の食感が楽しく、ひと口頬張れば、大量の肉汁と旨味がほとばしるッ!!


▲ソースは「オリジナルデミグラス」「特製BBQジンジャー」「スタミナにんにく醤油」「和風おろし」の4種類から選ぶことが可能だ。


▲石盤の熱で、じゅわわわわわーーーーーッッ!!


▲全てのハンバーグメニューには、もれなくサラダバーが付く。

――― 「ヨコスカネイビーバーガー」を、お店で取り扱おうと思った理由は何でしょう。

田村さん:実際に販売を開始したのは2017年9月からですが、2008年に「ヨコスカネイビーバーガー」の企画が公表された段階で、強い関心がありました。私は「ハードロックカフェ」出身ですので、個人的にハンバーガーという料理には思い入れもありまして。

――― 「ハードロックカフェ」の「レジェンダリーバーガー」は、世界各国で愛されている名物ですね。

田村さん:今でこそ“グルメバーガー”のお店は多いですが、私が秋田県の田舎から上京した当時は、ファストフードチェーン店のハンバーガーしか口にしたことがありませんでした。はじめて「ハードロックカフェ」のハンバーガーを食べた時、「こんなに美味しいハンバーガーがあるのか!」と衝撃を受けたものです。自分が提供する側になって、「お客様にも同じ感動を届けたい!」という想いをずっと抱いてきました。

――― “本場アメリカ流のハンバーガー”という意味では、「ハードロックカフェ」のハンバーガーは、「ヨコスカネイビーバーガー」と方向性も近いかと思います。

田村さん:会社がノウハウを持っていますし、既存の厨房設備で調理が可能ですので、クオリティの高いものが作れる自信はあったのですが・・・。何度も話が持ち上がっては、先送りになってしまう状態を繰り返していました。やはり場所的に、観光客の集客が見込みづらいことが大きかったです。

――― 確かに、ふらっと歩いて通りかかる場所ではない。

田村さん:その点が最大のネックでしたが、外国人のお客様が増えた今ならば、安定した需要が見込めるだろうと判断できまして。市内在住の方であれば「ヨコスカネイビーバーガー」というグルメの存在を知っているでしょうし、なにより、アメリカンなハンバーガーに馴染みが深いはず。

――― なるほど。

田村さん:そうして何年間も協議と試行錯誤を重ねて、やっとのことで販売にこぎつけた、という感じです。


▲入居している「横須賀モアーズシティ」は、1997年10月オープン。地下1F~地上9Fの10階建てビルで、神奈川県内の「モアーズ」4店舗の中では、最大規模のショッピングセンターだ。


▲「ストーンバーグ」は9Fのレストランフロア「Farmers’ Garden」内にある。

――― 田村さんのお店作りにおけるテーマや、心がけていることなどはありますか。

田村さん:スタッフの笑顔を大切にすること、ですかね。スタッフが気持ちよく楽しく働ける職場でないと、自然な笑顔が溢れている飲食店でないと、お客様からの笑顔もいただけないと思っています。そんな環境づくりを、1番大事にしています。

――― お店が開店してから10年以上経ちますが、横須賀の街に来て、なにか感じることや思うことはありますでしょうか。

田村さん:「横須賀の人たちは、横須賀の街が本当に好きなんだな」と。アルバイトで勤務してくれている高校生や大学生は、「数年後に就職や結婚をしても、変わらず横須賀に住み続けたい」と話す子がとても多い。都会の暮らしに憧れて出てきた私からすると、信じられません。

――― 私も横須賀で取材をしていて、地元愛が深い人が多いなと、常々感じています。

田村さん:オープニングスタッフとして入ってくれた子たちと、いまだに付き合いもあるくらいで。

――― 素敵な関係ですね。

田村さん:いや、「子たち」というか、もうみんな30歳になっていますけれど。

――― ふふ。13年経っていますから、そうなりますか。

田村さん:ですので、地元の方たちと支え合っていかなければ、お店はやっていけないと思っていますし、そんな横須賀の方たちに、愛されるお店でありたいと思っています。

――― 最後に、今後、お店でやりたいことや目標はありますか。

田村さん:うーん、色々と沢山ありますが、ハンバーガーに関していえば、現状の1種類のみにとどまらず、バリエーションを増やしていくつもりです。

――― 「ヨコスカネイビーバーガー」以外にも。

田村さん:外国人のお客様に、今以上に楽しんでいただきたいというのと、日本人のお客様にも、ウチのハンバーガーを味わってみていただきたい。双方に喜んでもらえる形で、展開していけたらなと思っています。

あとは、どうにか観光客の方へアピールできないか、とも考えています。

――― 店内からの景色だったり、“横須賀らしさ”を感じられるポイントは多いですよね。

田村さん:「ストーンバーグ」自体も全部で3店舗しかありませんので、希少性はあるかなって。ぜひ1度、立ち寄ってみていただけたら嬉しいです。

追記:2019年3月、閉店に伴い「ヨコスカネイビーバーガー」の販売を終了。

【ヨコスカネイビーバーガー特集 まとめ記事】

ご当地グルメ「ヨコスカネイビーバーガー」 全店舗取材レポート まとめ記事

【店舗情報】

Stone Burg(ストーンバーグ) 横須賀モアーズ店
■住所:神奈川県横須賀市若松町2-30 横須賀モアーズシティ9F
■営業時間
金曜以外:11:00~22:30(L.O 22:00)
金曜のみ:11:00~23:00(L.O 22:30)
■定休日:横須賀モアーズに準ずる
■公式サイト:http://stoneburg.jp/