幕末の黒船来航以来、日本近代化を推し進める軍港都市として発展を遂げてきた、神奈川県横須賀市。港では在日米軍や海上自衛隊の艦船を間近に見ることができるなど、日米文化が融合した景観やグルメを日常的に楽しめる、異国情緒あふれる街だ。
また、軍港の歴史と面影を伝える文化的遺産も数多く残されており、当時の建造物や貴重な資料を直接目にすることが可能。首都圏から日帰りで行ける“小旅行にぴったり”なアクセスの良さもあって、近年は観光地としての人気も高い。
そんな横須賀を代表する名所・スポットを、京急横須賀中央駅およびJR横須賀駅から徒歩圏内の中心市街地エリアから厳選して、本記事で紹介する...!
どぶ板通り商店街
日米文化の融合を市内でもっとも色濃く感じられるスポットが、米海軍横須賀基地のほど近くにある「どぶ板通り商店街」。
全長約300mの通りに、ミリタリーショップやスカジャン専門店、米兵たちが通う外国人向けのバーなど、様々な業種の店舗が100軒以上、軒を連ねている。
市内きってのグルメストリートでもあり、アメリカンなご当地バーガー「ヨコスカネイビーバーガー」を提供する飲食店には、週末になると行列ができることも...!
1968年創業の老舗「HONEY BEE(ハニービー)」は、横須賀の地におけるアメリカンレストランの草分け的存在。
日本国内で初めてアメリカンドッグを販売した店ともいわれており、半世紀以上、市民と米兵たちに愛されながら、本場アメリカの食文化を発信してきた名店だ!
▲同店マネージャーの吉見祐也さん。
コカ・コーラやコロナビールのネオンサインが飾られ、クラシックなジュークボックスが置かれた店内は、これぞ“古き良きアメリカンダイナー”といった風情のレトロ空間。
「ヨコスカネイビーバーガー」も、米海軍基地由来の伝統的な食べ方にならって頂く...!
▲創業当時のままのレシピで、市内のベーカリーに特注しているオリジナルバンズ。
▲野菜はスライスオニオン、輪切りトマト、フレッシュレタスの3種類。
▲香ばしくジューシーな、粗挽き牛肉100%のパティ。
その食べ方とは、全体を手でぺたっと軽くつぶしてから、上下逆さまにひっくり返して、ヒールバンズ(※下段のバンズ)を取り外す。そして露出したパティに・・・
お好みの分量でケチャップとマスタードをかけたら、蓋をするようにヒールバンズを元に戻し、“ハンバーガーが裏返しになった状態のまま”持ち上げて、あとは豪快にかぶりつく、というもの!
これは軍艦の見張り要員が、片手で双眼鏡をのぞきながら、片手だけで食べるために考案された食べ方だそう。ヒールバンズが肉汁とソースを吸収してくれるので、食べている途中でベトベトと垂れてくることがない。
美味しさと同時に、ハンバーガーの軍隊食としての歴史も伝わってくる...!
仕上げにコーラで流し込めばカンペキだッ!!
▲ボリューム満点の「チリドッグ」も名物的な人気商品。
▲陽が落ちると、店頭のネオン看板が輝き出す。このアメリカンな巨大電飾は、夜のどぶ板通りのシンボルのひとつ。
「RESTAURANT BAR CANTINA(カンティーナ)」は、基地内の米兵をメイン客層に据える外国人向けバー。
大音量でロックミュージックが鳴り響く店内は、まさに“リトルアメリカ”と形容したい、異国情緒あふれる空間だ!
ビリヤードテーブルとダーツマシン、ピンボール台のバックグラス、メッセージ入りの1ドル札が貼られた壁面などなど、目に映る全てがアメリカンで、ここが日本であることを忘れてしまいそう...!
▲「スタッフが通訳で間に入れますし、日本人の方にもゆるーい感覚で入店してみてほしいです」と、店長の三浦和昭さん。
▲星条旗の旗楊枝が付く、同店の「ヨコスカネイビーバーガー」。
▲自家製サルサを添えた「チキンケサディア」も人気商品だ。
「Honch Shell(ホンチシェル)」は、米退役軍人とその家族への慈善活動を主とする団体、「米国海外戦争退役軍人会(VFW)」の認定店。
同団体から「退役軍人が安心して飲食できるお店」とお墨付きを得た、日本国内では数えるほどしか存在しない、超レアな飲食店だ!
店内には退役軍人の常連客から寄贈されたという、米海軍の軍艦や部隊の記念盾、VFW関連の表彰状などがズラリと飾られており、マニアにとっては宝物庫状態ッ...!
▲カウンターに設置されているうちの1席は、なんと艦橋部のキャプテンシート。実際に使用されていた本物!
▲“空母の甲板型テーブル”もまた、男心をくすぐるッ...!
▲「観光客の方も含めて、日本人と外国人の交流の場になってほしい」と、オーナーの澁谷光則さん。
▲「ヨコスカネイビーバーガー」「よこすか海軍カレー」「ヨコスカチェリーチーズケーキ」の3種類のご当地グルメも自慢だけれど・・・
▲皮から手作りしている、自家製餃子が目玉商品とのこと!
また、どぶ板通りは「スカジャン(横須賀ジャンパー)」発祥の地としても知られている。
同商店街が市内での製作・販売の大半を占めており、その代表的な一軒が「ファースト商会」。
店主の松坂良一さんが昔ながらの手縫いで仕上げるフルオーダーのスカジャンは、全国から注文に訪れるファンが絶えないほどで、著名人にも愛用者が多い...!
▲松坂さんは御年90歳。創業当時からの足踏み式ミシンとともに、現役バリバリである。
▲手縫いの刺繍は立体感と迫力が段違いで、めちゃくちゃカッコイイ!!
松坂さんは、「昔のどぶ板通りには米兵が母国の家族へ贈るお土産用の、着物や雛人形を販売するお店が沢山あった。そこに名前も刺繍してくれよと、しょっちゅう頼まれるもんだから、私はミシンを独学で覚えたんですよ」と、縫製業を始めた当時を振り返る。
▲これまでに製作したスカジャンや特注ワッペンを記録したアルバム。
「スカジャンは横須賀の文化のひとつ。最近はコンピューターミシンを使ったスカジャンがほとんどだけれど、何にせよ、着る人が増えるのはいいこと」と、松坂さん。
「でも自分のスカジャンを求めて、わざわざ県外からもお店に足を運んでくれる人がいるのは、やっぱり嬉しいね」とはにかんだ。
観光用のお土産を購入するなら、店頭に設置された巨大な潜水艦のオブジェが目印の土産店「艦マニア 横須賀」。
同店のメインテーマである潜水艦のオリジナルグッズをはじめ、ファッション小物、雑貨、食品などまで幅広く、約300点のアイテムを取り揃えている...!
▲海上自衛隊の主力潜水艦「そうりゅう型潜水艦」をデフォルメ化した、キュートなぬいぐるみ「抱き枕 ちびりゅう」ほか、マニアックな商品が多数!
▲潜水艦の色と形を思わせるチョコレートクッキー「潜水艦黒ショコラ」。
▲ご当地レトルトカレーの取り扱い数も豊富だ。
▲2FはフリーWi-Fi、電源コンセント完備のカフェスペースになっている。
ちなみに、「どぶ板通り」という呼び名は実は通称で、正式名称は「本町通り」という。
基地内の米兵たちには、「Honch(ホンチ)」の愛称のほうが一般的なのだとか...!
【施設情報】
どぶ板通り商店街
■公式サイト:https://dobuita-st.com/
■公式Twitter:https://twitter.com/dobuita_street
■公式Facebook:https://www.facebook.com/dobuitabz
三笠公園 記念艦三笠
日本一のカレーの祭典「よこすかカレーフェスティバル」をはじめ、様々なイベントの開催地となり、また『日本の都市公園100選』『日本の歴史公園100選』にも選出されている、横須賀を代表する公園が「三笠公園」だ。
▲東郷平八郎提督の銅像(東郷元帥像)。
園内には、日露戦争における日本海海戦で世界に勇名を轟かせた伝説的な戦艦「三笠」が、記念艦(博物館船)として永久保存されており、来園者を出迎える。
1902年にイギリス・ヴィッカース造船所で竣工、日露戦争時は連合艦隊旗艦を務めた、敷島型戦艦の4番艦「三笠」。
当時世界最強と謳われたロシア・バルチック艦隊に対して、世界海戦史上類のない完全勝利を収めた艦だ。
現在、イギリス「ヴィクトリー号」、アメリカ「コンスティチューション号」とともに、世界三大記念艦のひとつに数えられ、2017年に文化庁より日本遺産構成文化財に認定。
かつて国家予算の5%もの費用を費やして造り出した兵器は、平和の尊さを伝えるシンボルへと生まれ変わって、横須賀から日本を見守っている...!
艦内では、複製された砲塔や煙突、旧海軍の制服や装備など、就航当時の実物を含めた貴重な資料を多数展示しており、見応え超満点!!
2020年には、6年連続で観覧者数20万人を突破したとのこと...!
▲左右両舷に設置されている旋回式の副砲。
主砲「40口径30.5cm連装砲」の最大射程距離は約10km、砲弾の重量は約400kgだったという。ド迫力ッ!!
▲被弾時にも操艦能力を維持するため、35cmの厚い鋼板で囲まれた司令塔。
▲司令塔内部。
▲周囲の僚艦(味方の軍艦)へ信号を送ったり、暗夜に目標物を探照するために用いられたサーチライト「60cm信号探照灯」。
▲日本海海戦で戦闘指揮所となった艦橋には、東郷提督らの立ち位置がプレートで示されている。
▲マストでは「Z旗」がはためく。アルファベットの最後の文字であることから、“後のない戦い”という意味を込めて掲げられ、全軍の士気を鼓舞した。
▲射撃時の砲室の様子を再現したもの。
▲砲室は砲員の生活場所でもあり、就寝時は釣床(ハンモック)を使用していたそう。
▲バルチック艦隊の発見に貢献した無線機「三六式無線電信機」。
中甲板へ下りると、時に外交交渉の場としての役割も担った連合艦隊旗艦らしい、豪奢で優雅な内装をした公室などを見学できる。
▲大尉から中佐までの士官が、担当する職務や事務をおこない、会議や食事の場所としても使用した「士官室」。
▲艦長が来客を応接し、執務をおこなった「艦長公室」。
▲連合艦隊の作戦会議、内外の来賓の応接、午餐会や晩餐会に使用された「長官公室」。バルチック艦隊の降伏文書調印もここでおこなわれた。
▲東郷提督が執務をおこなった「長官室」。
中央展示室では資料展示のほか、VRによって日本海海戦を追体験できるコーナーも展開!
▲日本海海戦における無線電信記録。
▲秋山真之参謀の毛筆書簡と解釈文。
▲日本海海戦時の砲撃による弾痕や弾片。
▲竣工時から1987年まで装着されていた艦首飾り(菊花紋章)。
▲『VR日本海海戦』は体験無料。東郷提督や秋山参謀と同じ視点で、バルチック艦隊と雌雄を決する瞬間を体験できる。
さらに、右舷の1番砲室にも、三笠の操舵手となって日本海海戦の敵前大回頭(通称“東郷ターン”)を体験できる「操艦シミュレーター」コーナーを展開。こちらも体験無料だッ...!
▲東郷提督専用だった、艦内唯一の木製階段で上甲板へ。
なお、同公園の管理事務所に併設された「記念艦三笠売店」では、来艦の記念にぴったりなオリジナルグッズを販売している。
▲三笠のシルエットやZ旗をモチーフにした商品など、約180点のアイテムを陳列!
▲三笠への入艦券は、売店脇に設置されている自動券売機で購入するシステムだ。
【施設情報】
記念艦「三笠」
■所在地:神奈川県横須賀市稲岡町82-19 三笠公園内
■観覧時間
4月~9月:9:00~17:30
3月・10月:9:00~17:00
11月~2月:9:00~16:30
■休艦日:無休(※12月28日~12月31日を除く)
■三笠公園 公式サイト:https://www.kanagawaparks.com/mikasa/
■記念艦「三笠」 公式サイト:https://www.kinenkan-mikasa.or.jp/
■記念艦「三笠」 公式Twitter:https://twitter.com/KinenkanMikasa
■記念艦「三笠」 公式Facebook:https://www.facebook.com/H.I.J.M.S.MIKASA.BB06/
■記念艦「三笠」 公式Instagram:https://www.instagram.com/memorial_ship_mikasa_official/
YOKOSUKA軍港めぐり
2008年のサービス開始以来、いまや横須賀を代表する人気観光コンテンツとなっているのが、横須賀港内を遊覧船でめぐるクルージングツアー「YOKOSUKA軍港めぐり」。
日米の艦船を船上から間近に見られる、日本唯一の“ご当地クルーズ”だ。
米海軍横須賀基地が置かれている横須賀本港から、海上自衛隊司令部が置かれている長浦港を経由して、ぐるっと一周する航路を進む...!
商業施設「Coaska Bayside Stores(コースカ ベイサイド ストアーズ)」前より、年中無休で毎日5便の定期船を運航。
1周あたり約45分間で、平日の第1便から大行列ができる日も珍しくない。
遊覧船はモニターを設置した1階席と、オープンデッキの2階席を合わせて、定員230名(※晴天時)。
専属案内人が生放送で船内ガイドをおこない、艦船の種類や役割、港周辺の景色まで、誰にでも分かりやすいように丁寧に解説してくれるので、事前知識が皆無でも全然大丈夫だ。
出航時間の15分前頃までに、桟橋付近で待機して、約5分前から乗船開始ッ!
ヒャッホーーーーーウッ!! 気ーーー持ちいいーーーーーッ!!
▲「冗談を交えつつ面白く、かつ、知的欲求も満たせる、初心者にもマニアにも楽しんでもらえるようなガイドを心掛けています」と、専属案内人の泉谷翔さん。
▲生放送は1階席でおこなわれるが、2階席にもスピーカーが多数設置されているので、船内のどこにいても聞くことができる。
▲世界最強と謳われる米海軍第7艦隊のイージス艦、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の6番艦「DDG-56 ジョン・S・マケイン」。
▲同イージス艦、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の21番艦「CG-67 シャイロー」。
▲米国外に唯一配備されている原子力空母、ニミッツ級航空母艦の9番艦「CVN-76 ロナルド・レーガン」。
▲横須賀と広島県呉市でしか停泊する姿を見ることができない、海上自衛隊の潜水艦。
▲南極「昭和基地」への物資供給などを担う、砕氷艦(南極観測船)の4代目「AGB-5003 しらせ」。TVアニメ『宇宙よりも遠い場所』での登場もあって、近年ファンが急増中。
▲海上自衛隊の護衛艦、あきづき型護衛艦の2番艦「DD-116 てるづき」、まや型護衛艦の1番艦「DDG-179 まや」。
▲うらが型掃海母艦の1番艦「MST-463 うらが」。
▲潜水艦救難艦「ASR-404 ちよだ」。
▲海洋観測艦「AGS-5106 しょうなん」。
▲航空機や艦船の燃料を貯蔵するなど、日米で共同利用している「吾妻島」。
▲明治時代に掘削された、横須賀本港と長浦港をむすぶ人工水路「新井掘割水路」。
出入港に関する情報は軍事機密で不明のため、どんな艦船と出会えるかは全てが運とタイミング次第!
2016年には総乗船客数100万人を突破。横須賀ならではの“軍港エンターテインメント”に興奮必至だッ...!!
なお、乗船チケットは「コースカ ベイサイド ストアーズ」2Fに入居する「汐入ターミナル」で発券するシステム。
同「汐入ターミナル」は、オリジナル商品を取り扱うグッズショップでもあり、食品や雑貨を中心に、130点ほどの商品を販売!
また、乗船客の待機所・下船後の休憩所としても利用されている。
▲横須賀を母港とする各艦船で、毎週金曜日に食べられているカレーを再現した缶入りレトルトカレーをはじめ、クルージングツアーの思い出にピッタリな商品が充実...!
▲遊覧船内は基本的に飲食自由でアルコールもokなので、ここで事前にビールを購入して、船内に持ち込んじゃうのもアリ!
▲よこすか海軍カレーパンがあることも!?
▲「コースカ ベイサイド ストアーズ」は2020年4月オープン。地上6F建てのフロアに100を超える店舗が集結している大型施設だ。
【店舗情報】
YOKOSUKA軍港めぐり
■住所:神奈川県横須賀市本町2-1-12
■営業時間(クルーズ船):11:00便、12:00便、13:00便、14:00便、15:00便
■営業時間(汐入ターミナル):10:00~19:00
■定休日:年中無休
■公式サイト:https://www.tryangle-web.com/naval-port
■公式Twitter:https://twitter.com/Tryangle_info
■公式Facebook:https://www.facebook.com/yokosuka.cruise/
ヴェルニー公園
JR横須賀駅に隣接する都市公園「ヴェルニー公園」は、「横須賀製鉄所(※1865年起工)」の建設など、日本の産業近代化に貢献したフランス人技師、フランソワ・レオンス・ヴェルニーの功績を称えて、2001年にフランス庭園様式を取り入れて整備された公園。
米海軍と海上自衛隊が利用する横須賀本港に面しているため、港内に停泊する護衛艦や潜水艦を間近に見ることができる、横須賀ならではのロケーションが人気だ...!
▲海沿いのボードウォークでは潮風を感じながら散歩を楽しめ、ファミリーやカップルはもちろん、愛犬を連れて訪れる利用者も多い。
▲フランス作出:ニコロパガニーニ。
そして、同公園の名物が、毎年春と秋に見ごろを迎える約1400株の薔薇!
フランス産と日本産を中心に、130品種ほどが花壇に植栽されており、バラ園として三浦半島随一の規模を誇るッ...!
▲フランス作出:ゴールドバニー。
▲フランス作出:ノックアウト。
▲フランス作出:ローラ。
▲フランス作出:シャルルドゴール。
▲日本作出:玉鬘(たまかずら)。
▲日本作出:紅。
▲日本作出:ラブミーテンダー。
▲イギリス作出:チャールズレニーマッキントッシュ。
▲アメリカ作出:ホワイトクリスマス。
▲ドイツ作出:ブルーリバー。
また、園内に貴重な歴史遺産や記念碑が、数多く設置・展示されている点も見どころ!
▲大正10年に「横須賀海軍工廠」で建造された、旧日本海軍戦艦「陸奥」の主砲。
▲当時世界に7隻だけ存在した40cm砲搭載艦として、姉妹艦「長門」とともに“ビッグ7”と称された。
▲日本遺産構成文化財に登録されている、港を見張る衛兵の詰所跡「逸見波止場衛門(へみはとばえいもん)」。
▲横須賀を母港としていた、前述の戦艦「長門」の慰霊碑。
▲同じく横須賀を母港としていた、日本初の超弩級戦艦である扶桑型戦艦の2番艦「山城」の慰霊碑。
▲同じく横須賀を母港としていた、旧日本海軍最大級の機雷敷設艦「沖島」の慰霊碑。
▲昭和12年に海軍の士気を鼓舞する目的で建てられた「国威顕彰の碑」。高雄型重巡洋艦の艦橋を模した造形になっている。
▲海軍終息50周年の節目を迎えて建てられた「海軍の碑」。
▲フランソワ・レオンス・ヴェルニーの記念碑。
▲「横須賀製鉄所」の建設を推進した幕臣、小栗上野介忠順の記念碑。
▲「横須賀製鉄所」で使用されていた、国内現存最古のスチームハンマー(※国指定重要文化財)などを展示する「ヴェルニー記念館」。
さらに、広場内に店を構える「カフェレストラン コルセール」では、ご当地グルメ「よこすか海軍カレー」が味わえちゃう!
▲オープンテラス席にはドッグポールが設置されており、ペットの同伴が可能。
▲同店の「よこすか海軍カレー」は、公園名物の薔薇にちなみ、花形に盛り付けたライスに食用のドライローズをあしらった、可憐なる一品だッ...!
▲食後は、スウェーデン王室御用達の高級紅茶「北欧紅茶」がオススメ!
ちなみに、「ヴェルニー公園」は秘かな桜の名所としても知られ、花見シーズンには約30本のソメイヨシノを目当てに地元市民で賑わう。
日米の艦船が浮かぶ海をバックに桜が咲く光景は、ミリタリーマニアならずとも心惹かれる、ひと味違った風情だ...!
追記:2021年5月、園内に「よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸」がオープンした。
「横須賀製鉄所」の副首長を務めたフランス人技師、ジュール・セザール・クロード・ティボディエの官舎を再現した建物(※本州最古級の西洋館だったが2003年に解体)内で、同製鉄所の歩みや横須賀発祥の文化などを紹介。
市内の見どころを案内する大型デジタルマップや、タイムトラベル気分が味わえるシアターも備えており、横須賀の歴史を体感できる。
「市全体をひとつの博物館に見立てて観光客に周遊してもらう、よこすかルートミュージアム構想の中核拠点に」と上地克明市長。
【施設情報】
ヴェルニー公園
■所在地:神奈川県横須賀市汐入町1-1
■開園時間:24時間
■休園日:無休
■入園料:無料
■公式サイト:https://www.kanagawaparks.com/verny/
■公式Facebook:https://www.facebook.com/vernypark
無人島 猿島
「三笠公園」の東方約1.7km沖合に浮かぶ「猿島」は、東京湾唯一の無人島であり、湾内最大の自然島。
2019年には来島者が年間20万人を突破するなど、近年人気急上昇中のスポットだ。
幕末から第二次世界大戦時まで、東京湾の首都防衛拠点として要塞化され、一般人の立ち入りが禁止されていたため、島内には現在でも手つかずの自然や貴重な歴史遺産が残されている。
特に、兵舎や弾薬庫をはじめとするレンガ造りの建造物は、明治時代初期に主流だった「フランス積み(フランドル積み)」という積み方が採用されており、国内で現存するのは「富岡製糸場」ほか数ヶ所のみだそう。
2015年には、旧軍事施設では全国初となる「国史跡」に指定された。
また、年月を経て苔に覆われた要塞跡が、映画『天空の城ラピュタ』に登場する廃墟を連想させるとインターネット上で話題となり、若者や女性を中心に、SNS映えするフォトスポットとしても注目を集めている...!
▲ちなみに展望台は、特撮TVドラマ『仮面ライダー』のロケ地になったことも。
もちろん、海水浴やバーベキュー、磯遊びや海釣りといったアウトドアが楽しめる点も大きな魅力ッ!!
無人島でありながら、観光客に嬉しい施設・サービスが充実している...!
▲バーベキューに必要な機材は全てレンタルできて、しかも洗わずに返却してok!
▲周辺一帯は根が点在する浅瀬になっており、絶好のフィッシングポイントだ。
▲テイトアウトレストラン「猿島オーシャンズキッチン」では、地産の食材を使用した、横須賀ならではのメニューを提供。
▲ゴミも持ち帰る必要はなく、島内のダストステーションで捨てられて便利!
なお、「猿島」という島名は、鎌倉時代に日蓮上人(※日蓮宗の宗祖である仏教僧)が船で遭難しかけた際、1匹の白い猿があらわれて、島の奥へ導いたことで難を逃れた、との伝説に由来する。
野生の猿が生息しているワケではないので、注意すること...!?
▲「猿島」へのアクセスは、「三笠公園」のすぐ脇から出航する連絡船で約10分。
▲年中無休で毎日8便(※冬期は7便)の定期船を運航している。
▲乗船チケットは、桟橋に隣接する施設「三笠ターミナル」で発券するシステム。
▲同施設には観光案内所や軽食カフェが内設されており、乗船客の待機所・下船後の休憩所としても機能。バーベキュー用の食材やお土産まで購入可能だ!
【施設情報】
猿島
■住所(三笠ターミナル):神奈川県横須賀市小川町27-16
■営業時間(連絡船):9:30便、10:30便、11:30便、12:30便、13:30便、14:30便、15:30便、16:30便(※夏期のみ)
■営業時間(三笠ターミナル):9:00~16:30(※運航状況により前後あり)
■定休日(三笠ターミナル):年中無休
■公式サイト:https://www.tryangle-web.com/sarushima/about.html
■公式Twitter:https://twitter.com/tryangle_web
■公式Facebook:https://www.facebook.com/yokosuka.sarushima